当ホールで開催の「新日本フィルハーモニー交響楽団メンバーによる秋の夜長を楽しむ四重奏」が毎日新聞「いせ毎日」で紹介されました。

プロの音色を身近に
新日本フィルハーモニー交響楽団のメンバーを中心とした弦楽四重奏のコンサートが9月20日、伊勢市小木町のミュージックホール音生で開かれた。同市植山町の編集・コンサルタント会社マイキャップ(田辺紀彦代表)が主催。国内外で活躍する演奏家の生の音色に60人が聴き入った。
「クラシック音楽を身近に親しんでほしい」と10年前、伊勢市在住のピアニストが大学の恩師で同交響楽団のビオラ奏者・吉鶴洋一さんに働きかけたのがきっかけ。演奏会を県内各地で毎年開き、公演を待ちわびるファンも多い。同ホールでの開催は初めてで、バイオリン奏者の山縣郁音さんと田代裕貴さん、チェロ奏者の三宅依子さんと吉鶴さんが出演した。
カルテットはモーツアルト「ホフマイスター」第2楽章で華やかに開幕。「ピノキオより・星に願いを」では歌うように響かせ合い、アルゼンチンタンゴの「ボル・ウナ・カベサ」では切々とリズムを刻んだ。曲の解説などの軽妙なトークを挟み、第1部のラストはブラームスの「ハンガリー舞曲第5・6番」。ピタリと息を合わせながらクライマックスへ駆け上がった。
第2部は同ホールの開設者で二胡奏者の酒徳美智子さんが加わり、パッヘルベルの「カノン」やモーツアルトの「トルコ行進曲」を演奏。東洋と西洋の垣根を越えた弦楽器の共演が実現。(写真)
続いてロシア民謡を取り入れたベートーベンの「ラズモフスキー第1番」、「冬のソナタより・はじめから今まで」など、多彩な楽曲で観客を魅了し、長崎くんちをイメージしたという「祭り」で幕を閉じた。
豊かな音色に聴き入っていた伊勢市本町の60代男性は、「ステージとの距離が近く圧巻の迫力。指の動きや息遣いまでを堪能した」と話していた。【久世伸子】
〈「いせ毎日」2025年10月16日号掲載〉



